雑記部ログ

山の中で農的生活しています。

新たな目標は「農業」から「農ある暮らし」へ

こんにちは、エユウラです。

佐賀の里山に移住して9年目になりました。
農業は8年目のシーズンを迎えているのですが、大量の作物を生産して販売する現在のスタイルには限界を感じるようになっています。

これまでは、いかにして農産物の生産量と販路を拡大して売り上げを伸ばしていくかに焦点を当てて取り組んできたのですが、これからは進んで行く方向を大幅に変えようと思っています。

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農業への取り組みに疑問が生じてきた

野菜やお米を生産し、それを消費者に販売して生計を立てる。
至ってシンプルですが、これが農業です。
販売方法はJAを通して市場に出荷したり、直接小売店に持ち込んだり、飲食店に供給したりと多岐に渡りますが、作ったモノを売るという基本は変わりません。

これまでは農地を拡大したり栽培技術を磨くなど、作る方に力を入れていたこともあり、有利な販売方法やブランド化をないがしろとまでは言いませんが軽く見ていました。
ただ、それではむやみに労働量が増えるばかりで、肝心の利益がそれほど上がるわけではありません。
たくさんの量を作れば、それだけ経費もかかりますので。
補助金を使って機械化したりビニールハウスなのど施設を作って効率化するというのが、農業界での定石のようになっていますが、その方法では環境に負荷がかかり私のやりたいこととは根本的なズレが生じてしまいます。
また、野菜の味には自信があるので、宣伝や営業に力を入れるという道もあるのでしょうが、そのようなことがしたくて里山に移住したわけではありません。

また、近年の気候変動の影響による夏場の長雨と豪雨は、農業によって生計を立てることに大きな不安を感じさせるものです。
ここ数年、圃場の周辺で土砂崩れが発生したり、雨による日照不足のせいで生産量が激減したりと、リスクに対する備えも絶対に必要になってきています。

生活に密着した「農」の楽しさを見失わないために

食べ物を作る「農」は基本的に楽しくなければならないと思っています。
工夫を重ねて味を追求し、美味しい作物を収穫してそれをいただくときは、言葉では表現できないほどの喜びを感じることができます。
少量でいいからもっとたくさんの種類の野菜を作ってみたいし、まだやったことがない方法を試してみたいという想いもあります。

「農」を楽しむためには、大量に生産して販売するだけの農業とは一線を画す必要があると感じています。
それを甘いと言う人がいることもわかっています。
でも、生え抜きの農家ではない私が感じていることは、「農」が楽しさを忘れ大量に作物を作らないと生計が成り立たない苦行のような仕事になってしまったことが、若者の農業離れを促進させて、ひいては里山の過疎化に繋がっているのではないかということです。

借金して機械や施設を導入して、失敗すれば全てを失って路頭に迷う。
こういう仕組みの中の農業で、一体誰が得をしているのでしょうか?
よく考えてみる必要があると思います。

今度は「農ある暮らし」を実現させることに挑戦する!

それでは、どうやって生活していくのかという問題が当然起こってきますが、農業に費やしている膨大な時間の一部を他のことに振り向けるだけで、現金収入を得ることは十分に可能です。
農作物を作るのではなく、体験農園を運営して野菜作りのノウハウを教えることもできます。

また、無理にたくさんの作物を作っていると、農繁期に作業が間に合わなくなり、人を雇うことでけっこうなお金が発生してしまいますが、そのお金をかなり抑えることもできます。

都会から移住して農業を始めたときもワクワクと不安が同居した感覚でしたが、今度は農業をコンパクトに縮小させて「農ある暮らし」実現させる。
未知のことが多いので今度もドキドキすることがあるのでしょうが、行動し続けることに意味があると思っています。
今度の挑戦も楽しむことを忘れずに、前に進めていくつもりです。

読んでいただき、ありがとうございました!